本サイトは、「キレイで使いやすいフォルダ」の構築/整理方法を、体系的に解説することに特化させているサイトです。
「キレイで使いやすいフォルダ」とは、以下のようなものです。
- 「どこに何があるか?」を覚えなくて良い。都度忘れて良い。見れば分かる。
- 「欲しい資料はどこにあるか?」も、見れば分かる。すぐに辿り着ける。
- 「この資料はどこに格納すれば良いか?」も、見れば分かる。間違いなくここだ、と分かる。
ここでは、「中級編」として、各「組織フォルダ」の中身を構築する手順を学習します。現時点ではイメージし辛いかもしれませんが、ここで言う「各組織フォルダ」とは、組織において一人一人が所属する「部署」や「課」のことを指します。つまり、ここでは「〇〇部のフォルダ構築術」や「〇〇課のフォルダ構築術」を学ぶと読み替えて頂ければと思います。
「体系的学習」のステップについては以下に整理しておりますので、まだご覧になっていない方は是非ご覧ください。
中級編の学習内容と成果物イメージ
前回の「初級編」では、題材として「とある中小企業メーカーのフォルダ構築」というストーリーで、以下のように、会社のフォルダを一から構築する手順まで学びました。
しかし、初級編では上図の通り、「会社のフォルダを、(〇〇部や〇〇課といった)各組織フォルダにまで分解する手順」を学んだだけで、その「各組織フォルダの中身」までは着目していませんでした。
そこで、ここでは「各組織フォルダ」の中身の構築手順(下図の赤枠部分)を紹介していきます。
なお、こういった「各組織フォルダ」というものは、「直接的に人員が所属する形となっているフォルダ」ということであり、つまり日々の業務において日常的/直接的に利用されることとなります。そのようなフォルダをキレイに構築することで、本サイトの「はじめに」で解説した「業務改善によるコスト削減が出来る」というメリットを実現させる形となります。
中級編での学習ステップ
ステップ①:「組織フォルダ」を「業務ごと」に細分化する
ステップ②:「業務フォルダ」を「管理資料/案件資料/一時資料」という枠組みでグルーピングする
そして、「中級編」が終わった時点では、それぞれの「組織フォルダ」について、以下のようなフォルダにまで進化させることができるようになります。
ステップ①:「組織フォルダ」を「業務ごと」に細分化する
最初のステップでは、「組織フォルダ」を「業務フォルダ」にまで細分化するということを実施します。
イメージがしやすいよう、ここでは具体的に、本サイト「初級編」にて構築した会社(メーカー)の共有フォルダの中の一つ「01_調達部」という組織フォルダに着目してみることにしましょう。
さて、早速それぞれの「組織フォルダ」を「業務フォルダ」にまで分類するにあたり、以下の通り場合分けというものを実施します。
上記の場合分けというのも、現時点ではいまいちイメージし辛いこともあるかと思いますので、早速具体例で「01_調達部」フォルダを「業務フォルダ」ごとに細分化させられないかか考えてみましょう。
上記のように、「調達部のお仕事は、”調達先”という観点で細かく分けられるかな?」という考え方をしても良いですし、「調達部のお仕事は、別にこれ以上細かく分けられることはないかな……」という考え方をしても、どちらでも大丈夫です。そしてこの時、「業務ごとに細分化する」の考え方についてですが、あまり深く考える必要もありません。「仕事を一定の基準(種類、ジャンル、タイプ…)で分類出来ないかな?」と捉えて頂ければと思います。
最終的に、「業務ごとに細分化できるか?」「細分化できるなら、どんな観点で細分化するか?」を考えるにあたっては、「感覚的にイメージしやすいか?」という観点で決定すれば大丈夫です。
ここの事例としては、シンプルに 「パターン②」として話を進めてみることにします。
「パターン①:業務フォルダごとに細分化出来る」で考えてみる場合
この時、組織フォルダを単純に「業務フォルダ」に細分化するのではなく、せっかくなので「初級編」にて学習した「グルーピング」 この考え方を適用させると、よりキレイに仕上がります。
なお、以下の解説ページにて、「組織フォルダを業務フォルダに細分化する事例」を紹介していますので、併せてご覧ください。
ステップ②:「業務フォルダ」を「管理資料/案件資料/一時資料」という枠組みでグルーピングする
「組織フォルダ」を「業務フォルダ」ごとに細分化した後は、それぞれの「業務フォルダの作り込み」をしていきます。
このステップでは、「業務フォルダを、管理資料/案件資料/一時資料という3グループに分ける」ということを実施する形となります。
「管理資料」?「案件資料」?「一時資料」?という点は一旦さておき、まずは以下の通り、各業務フォルダについてこの3グループに分ける様子をイメージしてください。
ここで、先ほどの「01_調達部」フォルダの事例で考えてみると、「01_調達部」フォルダは細かく「業務フォルダ」に細分化しなかった以上、「組織フォルダ=業務フォルダ」という考え方をすることとなり、つまりは上図で言うところの「パターン②」のイメージとなります。
こちらも、実際に具体的なイメージから入ってみましょう。
上図の通り、「01_調達部」フォルダを「管理資料」「案件資料」「一時資料」の3グループに分類(グルーピング)しました。
ここで「グルーピング」についてですが、これは本サイト「初級編」にて解説したテクニックの一つです。「区分け専用のフォルダ」を配置させることで、「2つ分の階層を、無理やり1階層分に圧縮する」という効果と、「全体像を掴みやすいフォルダにする」という効果を実現させることができます(詳しくは下図と、「初級編」参照)。
そして、「管理資料グループ」「案件資料グループ」「一時資料グループ」とは、それぞれ以下の役割を担う形となりますが、以下、1つずつ解説していきます。
- 管理資料グループ
常にずっと最新の状態にしておく必要のある、大事な大事な資料 - 案件資料グループ
その時々に降ってくるお仕事系 - 一時資料グループ
とりあえず仮置きでどこかに一時的に置いておきたいもの
「管理資料」グループ
「管理資料」とは、言わば「常にずっと最新の状態にしておく必要のある、大事な大事な資料」というイメージです。具体的には、以下の類の資料となります。
- 「お堅い資料」の類
・契約書
・社規社則(内規)
・システムの利用マニュアル、説明書 - 「管理表/一覧表」の類(Excelで一覧化されているようなイメージのもの)
・顧客台帳
・緊急連絡先一覧表
・システムの利用者一覧表
この「管理資料」は、後述の「案件資料」との比較でその意義を感じることが出来ます。
「案件資料」グループ
「案件資料」とは、言わば「その時々に降ってくるお仕事。終わっては、また新しい仕事が舞い込み、それも終わっては、更にまた新しい仕事が舞い込み……」というイメージです。
具体例として、上図の中の「12_調達管理システムに関する案件」フォルダに着目してみましょう。その中身は以下のように作り上げるイメージです。
そして、案件フォルダ内は、以下のように、「今現在、生きている(まだ終わっていない)案件」と「もう既に終わった案件」とで2つに分類されていることが分かると思います。
「案件」というものは、いつか必ず「終わり」が来るものです。中には、数年かかる案件というものもありますが、いつか必ず終わりを迎えます。そういった「終わった案件」というものをそのままにしてしまうと、フォルダ内は沢山の案件フォルダで埋まってしまいます。そうなると、「ぐちゃぐちゃで汚いフォルダ」というものが簡単に出来上がってしまいます。
それを防止するために、「完了案件」というフォルダを作成し、終わった案件については、その案件フォルダをまるごと「旧フォルダ」内に移動させる、ということを実施するイメージです。
「案件」フォルダ内に「完了案件」フォルダを用意していないと、以下のような混乱を生みますので、これは絶対に必要なものと考えて良いでしょう。
一方で、今現在もまだ生き残っている案件(=現在継続中の案件)は、これは明確に「今現在、まだ現役の案件です!」と強調しなければならず、「完了案件フォルダに入っていないこと」でそれを表すことが出来ます。
ここで、前述の「管理資料」と、この「案件資料」を比較してみましょう。
「管理資料」は、「ずっと生き残っていく資料(同じ資料が何度も何度も更新され、育っていくイメージ)」である一方、「案件資料」は、「既に終わった資料」と「今も生きているがいずれは終わる資料」です。前者は「固定的」で、後者は「流動的」というイメージが生まれてきますでしょうか?
そもそも「案件」とは何か
ここで言う「案件」とは、かなり幅広な意味で捉えて頂いて大丈夫です。例えば「新商品を企画する」という話題について考えた時に、「企画案を考える」という所だけをもって1つの「案件」と捉えても良いですし、「企画案を考えるだけでなく、それを社内コンペに出し、承認是非が決まるまで」という所までで「1つの案件」と捉えても良いですし、あまり深く考える必要はありません。少なくとも、「始まりと終わりという、”期間”の概念があるもの」と考えて頂ければ大丈夫です。
「案件フォルダ」の氾濫
「完了案件フォルダ」というものを作らずに、沢山の案件フォルダを氾濫させるとどうなるかを、下記の解説ページにて個別に紹介しています。
「一時資料」グループ
「一時資料」とは、言わば「とりあえず仮置きで、どこかに一時的に置いておきたいもの」というイメージです。
既に解説した「管理資料」「案件資料」とは異なり、「とりあえずフォルダ内に格納しておきたいが、用が済んだら消しても良い」という資料を格納します。「とりあえず」「仮置き」という、なんとなく「適当さ」を感じられるものと捉えても良いでしょう。
例えば、周囲の社員に対し何かしらの資料を共有する際は、一般的には「社内メールへの添付や、コミュニケーションツール上で送付する」というものと思います。その中で、大容量の資料はメールに添付出来ないという場合などに、「フォルダ上に一時的に資料を格納し、それをダウンロードして取得してもらう」という工夫を実施することもあるかと思います。こういった場合、共有フォルダ上に一時的に格納したフォルダは、用が済んだら速やかに削除すべきです。
その類の「一時的な資料」というものは、「一時的なものであって、大切にずっと育てていくという類のものではない」という意味で、「管理資料」とは異なります。また、「案件資料」のように、「始まりと終わりという”期間”がある仕事」というものとも異なります。そのため、このように「一時資料」として専用のエリアを設けてみましょう。
中級編のまとめ
さて、ここ「中級編」では、(初級編にて作り上げた)それぞれの「組織フォルダ」の中身を構築する手順を紹介させて頂きました。具体的には、組織フォルダを更に「業務フォルダ」にまで分類し、その業務フォルダの中身の構築手順というものでした。
そして、その業務フォルダの中身は、「管理資料」「案件資料」「一時資料」という3グループに分けることで、資料の属性に応じた資料格納が出来ることを紹介させて頂きました。
「組織フォルダ」の構成は、その組織の独特の文化・独特の世界観で作り上げられていることが一般的です。しかし、実際はこのように「一つの理想的な在り方」というものが確実に存在します。今回この「中級編」にて紹介した構築手順を社内全体で統一させることが出来たら、その時はもうその社内のどの部署で仕事をすることになっても、同じような感覚で仕事をすることが出来ます。更に、部署間で「同じ目線」「同じ感覚」が生まれるため、組織としてスムーズなコミュニケーションが生まれる可能可能性もあります。ぜひ、今回紹介した手順で組織フォルダを構築して頂きたいと思います。