本サイトをご覧になっている方は、普段のお仕事において、資料の共有保管場所として「フォルダ(文書管理フォルダ)」を扱っていることと思います。
ここでは、「フォルダのキレイに構築/整理する」という話以前の、「なぜ、キレイにする必要があるのか?」という、意義/メリットを解説しています。
結論から申し上げると、「キレイなフォルダの実現」は、自社を「ホワイト企業」に近付けることになります。
「前置きは良いから、早くテクニックや知識を教えてほしい!」という場合は、本ページを飛ばして、早速「初級編」「中級編」「上級編」をご確認ください。
そもそも「キレイなフォルダ」とは
まずは、管理人が考える、「キレイなフォルダ」と「汚いフォルダ」とはどういったものか?というものを以下に整理します。 皆様の職場で扱っているフォルダは、どちらでしょうか?もし、前者であるならば、本サイトをご覧になる必要はありません。
- キレイなフォルダ
・どこに何があるかを覚える必要がないフォルダ
・むしろ忘れても良いフォルダ
・ベテランが急にいなくなった場合でも、必要な資料には誰でも簡単に辿り着けるフォルダ - 汚いフォルダ
・どこに何があるかを覚えないと、仕事が進まないフォルダ
・ベテランしか、どこに何があるかを覚えていないフォルダ
・長年、その職場に勤めないと、仕事にならないフォルダ
・ベテランがいなくなった場合に、仕事が完全に滞ってしまうフォルダ
ちなみに、「汚いフォルダ」の例を挙げると、以下のようなものです。
実際の現場では、上記のような「汚いフォルダ」ばかりが使われており、「キレイなフォルダ」なんてものは皆無である、というのが実態かと思います。
そんな中、もはや理想論とでも言えそうな「キレイなフォルダ」を目指す価値とは、一体何でしょうか。
「キレイなフォルダ」を実現させるメリット×5
管理人は、「キレイなフォルダ」を実現させるメリットは、以下の通り5点あると考えています。一つ一つ紹介していきますが、本解説ページを読み進めて頂ければ、「キレイなフォルダにしないと……!」と感じて頂けるはずです。
- メリット①:業務改善によるコスト削減が出来る
- メリット②:ストレスが溜まらない業務環境となる
- メリット③:会社全体の売上向上を実現させる ←注目!
- メリット④:若手/新人の負担を減らすことが出来る
- メリット⑤:有給休暇を取得しやすくなる ←注目!
メリット③の「売上向上」や、メリット⑤の「有給休暇」という話は、「一体何を言っているんだ?」と思われるかもしれませんが、実際その通りになりますので、ぜひご覧ください。そして、これらのメリットの実現は、「自分の会社をホワイト企業にする」ということに繋がることも分かってくるはずです。
メリット①:業務改善によるコスト削減が出来る
フォルダは「資料の共有保管場所」として扱われるものですが、実は役割はそれだけではありません。共有フォルダとは「日々の業務そのもの」です。
実際に、一日に何度もフォルダにアクセスして資料を保管したり、資料を探し出したりといったことをされている方にとっては、この言葉の意味が理解しやすいかと思います。
フォルダが「日々の業務そのもの」であるということは、
フォルダをキレイに整理すること
=日々の業務を効率化させること
=コスト削減そのもの!
と言えます。
例えば、「〇〇社との先月の打ち合わせ議事録は、フォルダ内のどこに置いたんだっけな……」ということで、探しに行った際に、整理されていないフォルダであれば、一人で数分探したにも関わらず見つからなかったり、場合によっては周囲の社員に「アレどこに置いてあったんだっけ?」と聞くなどしてようやく辿り着ける、ということもあるかと思います。この場合、「一つの資料を探し出すことに、1分以上/数分/10分以上かかる」なんてことも珍しくないと思います。もしかしたらこの状況を「そんなこと日常茶飯事で、何も珍しいことでもない」と感じる方々もむしろ多いのではとすら思います。
しかし、整理されたキレイなフォルダであれば、「目的とする資料に、数秒/10数秒/1分以内で辿り着く」なんて状況を作り出せます。
これだけ見れば「たったこれだけ」という話です。しかし、これが「多くの社員が」「1年間で」といった場合、どれだけの時間が削減されるでしょうか?
「目的の資料の辿り着くのに、数秒/10数秒/1分以内で辿り着くことが出来るフォルダ」なんて、そもそもそんなこと出来るのか?という疑問も出てくるかと思います。ご安心ください。本サイト全体で紹介している内容を見につけて頂ければ、普通に出来ます。
ところで、管理人も過去、勤務先にて、
フォルダをキレイに整理し直しますので、
皆様ご協力宜しくお願いします。
と声を挙げても、
そんなことに労力をかける意味があるのか?
(いいから黙って普段通りの仕事をしてくれ)
と、反対されたものです。
もし、皆様の周りにも、同じような反対意見にあったら、こう言ってあげましょう。
フォルダは多くの方々が日々の業務で常に扱うものです。
その環境を整備することは、一人一人の日々の業務が効率化されます。
すると、「塵も積もれば山となる」効果で、
全体の業務効率化になり、即ち「コスト削減」となります。
「中長期観点」で、コスト削減になるということです。
「フォルダ=日々、多くの人が扱うもの」ということで、コスト削減の効果は「中長期観点」で見えてくるということです。
ところで、近年、「業務改善」や「業務の効率化」の重要性が叫ばれ、それを実現するための「業務改善のコンサルティング」というサービスも生まれるなど、日々の業務を効率化して無駄なコストを削減する動きが加速しているように感じます。それ自体はとても素晴らしいものだと考えておりますが、しかしながらこの「フォルダをキレイに整理する」ということが業務改善そのものであることには目を向けられていない感覚を受けます。それはとても残念なことだなと感じています。考えてみてください。フォルダは「毎日触るもの」です。つまり「毎日、それに対して時間を割いている」ということで、単純に考えてコスト削減のヒントが沢山眠っていると言えないでしょうか?
メリット②:ストレスが溜まらない業務環境となる
先ほど紹介させて頂いた通り、例えば、「一つの資料を探し出すことに、1分以上/数分/10分以上かかる」なんてことも珍しくないと思っていますが、これをストレスに感じることはありませんでしょうか?「どこだ…、どこだ…、あーもう見つからない!」というストレスを感じてしまう方は多いかと思います。
もしくは、そんなことにならないよう、一つ一つの資料がどこにあるかを一つ一つ「暗記(もしくはメモ)」しているという方もいるかと思いますが、そういった方は「覚えることが多すぎる……」というストレスを感じているかもしれません。
しかし、整理されたキレイなフォルダであれば、「目的とする資料に、数秒/10数秒/1分以内で辿り着く」なんて状況を作り出せますので、そういったストレスは一切なくなります。「資料を探し出すのに時間がかからずノーストレス!」ということです。また、「どこに何があるかは”見れば分かる”」という共有フォルダであるため、「資料の置き場所を暗記する必要がなくノーストレス!」ということにもなります。
実際、管理人は、自分が構築/整理したフォルダについて、「どこに何が置いてあるか」など一切覚えていません。もはや覚えようとすらしていません。なぜならば、いざ何かを探す時でも、その場で「見れば分かる」からです。何の資料のありかを問われても、何も考えずに、数秒/10数秒/1分以内に辿り着くことが出来ます。むしろ「問われる」ということをされても、「見れば分かるから、自分で探しといてくれる?」と堂々と言うことすら出来ています。
メリット③:会社全体の売上向上を実現させる
「キレイなフォルダ」を実現させることは、実は「コストの削減」という話だけでなく、それどころか、「会社全体の売上向上」まで実現できることは、案外意識されていないと思います。
これは単純に、「資料探し」などという余計な作業がなくなることで、「本業に割く時間が増える」ということです。
例えば、営業部門の方は、「営業活動」が本業となる訳ですが、その本業の中で、「目的の資料を探し出すのに時間がかからない」ということになれば、その分の時間を使って少しでも営業活動に精を出し、売上に繋げることが出来ます。
営業部門の方だけでなく、企画部門の方であれば、少しでも時間が生まれれば、その分の時間を企画活動に精を出すことが出来ます。企画活動により良い商品/サービスが生まれれば、その分新たな売上に繋がります。
他にも、経理部門の方であれば、日々の経理業務や決算業務などに時間がかからないという効率化された状況を作り上げることができる可能性があります。一見すると、経理部門の方の業務効率化なんて「売上」には繋がらないように思われるかもしれませんが、効率化された時間を元に経理部門の方が他の活動に時間を回すことが出来れば、それが回りまわって「売上」に繋がる可能性は十分あります(例:経理部門の方が、社員全員の経費精算業務の効率化を図る企画を打ち立て、社員全員に「本業に割く時間」を更に与える)。
突き詰めると、どの部門のどんなお仕事をされている方であっても、各々の「本業」に時間を回せる体制が整えば、会社全体で「売上の向上」に繋げることが出来ます。そして本業に時間を回してもらうために、「資料を探すことに時間をかける」なんて無駄な業務環境は、見直されて然るべきです。
そして当然ですが、「売上」がない限り皆さんのお給料は出ませんし、売上が増えなければ給料も増えることは基本的にありません。
メリット④:若手/新人の負担を減らすことが出来る
管理人は、過去、様々な職場に勤めてきました。当然、その度に、先輩社員から一通りの仕事内容は教わる訳ですが、どこにいっても、
〇〇〇の資料は、フォルダ上、ここをこう辿って、更にこう辿って、そして更にこう辿った先に置いてあるので、これを使ってください。
この複雑怪奇なフォルダ上の、
「どこに何があるのか」を全部覚える必要があるのか……(汗)
と、感じたものです。そして管理人も新卒時代は素直に「フォルダ上のどこに何があるのか」を愚直に「全部を暗記」しようとしていました。
そして、管理人も、若手新卒社員に仕事を教える立場となった頃、昔先輩社員から教わった通りに、「フォルダのどこに何があるか」を説明したら、
これを全部覚えなければならないんですね……大変そうです。
と、管理人の新卒時代を全く同じ反応をされ、つまり私は自ら若手社員に負担をかけようとしていることを自覚しました。
という訳で、ここで言えることは、「どこに何があるかを覚えるまでもないキレイなフォルダ」を構築しておくことは、若手/新人社員の負担を減らすことに他なりません。
しかし、
「覚える」ということ自体が、お仕事の一環なのではないでしょうか?
と、考えている社員にとっては、「キレイなフォルダを構築すること」に対して、ありがたみを感じてもらえないかもしれません。
そもそも、最初から「キレイなフォルダ」が構築されている状況で入社してきた若手社員にとっては、(他の世界をあまりよく知らない以上)「このフォルダ、整理されていて仕事がしやすい!」などと感じることはないでしょう。つまり、仮にあなたがその「キレイなフォルダ」を作り上げたとして、おそらく若手社員から感謝されるということはないでしょう。
あなたは、「昔、私はぐっちゃぐちゃのフォルダ環境で仕事をして、苦労した……」ということを、「若手や新人にも同じ経験をさせたくない!」と思うか、「若手や新人も同じ苦労をすれば良い」と考えるか、どちらでしょうか?
メリット⑤:有給休暇を取得しやすくなる
「キレイなフォルダ」の実現が「有給休暇を取得しやすくなる」とは、一見すると全く関係ないことを言っているように見えるかと思います。しかし、面白いことに管理人はこの真実を確信しているため、ここで紹介させて頂きます。
厳密には「有給休暇を取得しやすくなる」というよりは、「自分がいなくなっても大丈夫ですから、私は休みます!」と堂々と主張しやすくなる、という意味です。例えば、
・平日開催のイベントにいきたい(遊びたい)
・不慮の交通事故にあってしまった
・急に家族の面倒を見ることになった
という、「休暇を取得し、自分がいなくなる場面」というものを考えてみましょう。こういう場合、自分がいない間の業務を他の方にやって頂くなどの関係から、しっかりとした引継ぎ活動が必要となります。
そういった引継ぎ活動においては、大抵、「どこにどんな資料があるのか」というものを正確に伝達する必要があります。
もうお分かりだと思いますが、フォルダをキレイに整理しておけば、「どこにどんな資料があるかは、見れば分かる」という状況になるため、その分、引継ぎの手間がぐっと減ります。引継ぎの手間が減るだけでなく、堂々と「私が少しの間いなくなっても、他の人で仕事を回せます!」と主張することが出来、つまりは休暇を取得しやすくなります。
その他、この話題は「休暇」という話題に留まらず、「部署異動」や「退職」という場面でも同じようなことが言えます。参考まで、過去、管理人は(部署異動などの際に)「引継書」を作ったことがありません。引き継ぐ内容は常にシンプルで、いつも以下のように一言伝えて終わりです。
私の仕事内容は、常にフォルダ上に整理してありますからね。
そして、そのフォルダですが、
「どこに何があるか」は「見れば分かる」ので、
あとはよろしくお願いします。
こんな引継ぎだと、大抵、以下の反応が返ってきます。
え……、引継ぎってこれだけですか?不安だなぁ……
しかし、実際に仕事を引き継いだ後、これまた大抵、以下の反応が返ってきます。
フォルダが丁寧に構築されているので、
大事な資料にはすぐに辿り着けますし、
困ってません!ありがとうございます!
まとめ
以上、「キレイなフォルダ」を実現させることのメリットとして、以下の5点を紹介させて頂きました。
- メリット①:業務改善によるコスト削減が出来る
- メリット②:ストレスが溜まらない業務環境となる
- メリット③:会社全体の売上向上を実現させる
- メリット④:若手/新人の負担を減らすことが出来る
- メリット⑤:有給休暇を取得しやすくなる
「キレイなフォルダ」を実現させることは、このように、もはやメリットしかなく、着手しない理由が存在しません。そして、これらのメリットを実現させることは、「自社をホワイト企業に近付ける」ということも、なんとなく感じて頂けたのではないでしょうか。
デメリットとして、強いて言うなら「キレイに整備するにあたり、少しばかり手間がかかる」ということですが、その時間は前述の「コスト削減」や「売上向上」などの効果を考慮すれば、つまり「投資」の発想でいけば、その場限りのでデメリットでしかないことが分かるかと思います。今回紹介した5つのメリットは、全て「中長期の観点」で見出せるものですので、その点をご理解頂く必要があります。
そして、この先本サイトでは、「キレイなフォルダを構築する方法/今あるフォルダを整理する方法」というものを「初級編」「中級編」「上級編」にて、体系的に解説しています。
上記の解説ページで学習することで、以下のような「キレイに整理されたフォルダ」を構築するスキルが身に着きます。