近年、より一層「IT」の重要性が増していることから、「情報システム部」と呼ばれる部署の重要性が高まっています。
例えば、総務部門内の一つの課に過ぎなかった「情報システム課」を、「情報システム部」として格上げするという会社もあるそうです。
また、「情報システム部」という一つの部署だけでなく、「企画」「開発」「運用・保守」といった分類で、それぞれに部署が分かれていることも多いです(システム企画部・システム開発部・システム保守部、等)。
ここでは、「企画」「開発」「運用・保守」全ての役割を担った、一定規模の企業の中に設置されている「情報システム部」というイメージで、この組織のフォルダを構築してみる事例を紹介します。
先に成果物イメージを紹介すると、最終的に下図のような形で「情報システム部フォルダ」を構築する形となります。
情報システム部フォルダ構築にあたっての基礎知識
ここで解説するフォルダ構築の手順は、主に本サイトの「中級編」の解説に従う形となります。
この「中級編」では、「情報システム部フォルダ」のような「組織フォルダ」の中身の構築術を紹介していますので、前提知識として宜しければ併せてご覧ください。
そして、付け加えておきますと、「初級編」で学習する、以下の一連の考え方も所々で活用する形となります。そのため必要に応じこちらもご覧ください。
- ステップ①:全体像のイメージ
- ステップ②:階層構造のイメージ
- ステップ③:イメージした全体像・階層構造を元に(機械的に)フォルダを作る
- ステップ④:「ナンバリング」のテクニックで、フォルダの並び順を整える
- ステップ⑤:「グルーピング」のテクニックで、フォルダの階層を整える
ステップ①:情報システム部フォルダを「業務ごと」に細分化する
最初のステップでは、情報システム部フォルダを「業務フォルダ」にまで細分化するということを実施します。
考え方のイメージは以下の通りです。
「組織フォルダを業務フォルダにまで細分化する」という考え方は、冒頭で解説した基礎知識の通り、本サイトの「中級編」で解説している内容です。
ここでは、便宜的に「情報システム部」のフォルダを、すぐに「業務ごと」に分解するのではなく、「情報システム部はいくつかのチームで構成されている」という前提を立てて、まず以下のように分解して考えてみることにします。
これは、「全体像・階層構造をイメージする」という、共有フォルダ構築において最初に考えるステップとなります。
一旦、これを元に素直にフォルダを構築してみると、以下のような形となります。
これに対して、以下のように「ナンバリング」を実施します。
「ナンバリング」とは、、「01」「02」「03」……という形で各フォルダに順番付けをすることで、狙った通りの順にフォルダが並ぶ形とするテクニックです。今回はナンバリングなんかしなくても、たまたま、「共通系システムチーム ⇒ 業務系システムチーム」と、元々狙った通りの順番になっていますが、ナンバリング処理を実施しているだけでも「なんとなくキレイに整理されている印象」を受けますので、形式的にだけでも対応することをオススメします。
「全体像・階層構造のイメージ」「ナンバリング」という考え方は、冒頭で解説した基礎知識の通り、本サイトの「初級編」で解説している内容です。
「組織フォルダを業務フォルダにまで細分化する」際に、すぐに業務フォルダに細分化するのではなく、一旦「細かい組織フォルダに細分化する」という考え方は、冒頭で解説した基礎知識の通り、本サイトの「中級編」で解説している内容です。
ステップ②:改めて、「各チームフォルダ」を「業務ごと」に細分化する
ここまでで、情報システム部フォルダを「共通系システムチーム」「業務系システムチーム」という2つの組織フォルダに細分化することが出来ましたので、改めて、各組織フォルダを構築していきます。
ここでは、「共通系システムチーム」の方に着目する形で、組織フォルダの中身を構築していきましょう。
まず、この「共通系システムチーム」の業務として、以下の4種類を考えてみることにしましょう。
上記の4種類への分類は、「業務」ごとに細分化したというよりは、「ジャンル」ごとに細分化したという方が正しいかもしれませんが、あまり細かいことを考える必要はありません。
こちらを素直にフォルダにしてみると、以下のような形となります。
更に、元々想定していた並び順となるよう、「ナンバリング」を実施します。
この時、単純に4種類に細分化するというよりは、以下のような形で「階層構造」というものをイメージしていくと、後々キレイなフォルダに仕上がりますので、今回は以下のイメージで、
「全社員向け(のシステム)」
「人事部向け(のシステム)」
「経理部向け(のシステム)」
という3つの「親となる概念」を加えた形で、4種類の業務に細分化することにしましょう。
上記例では、「グルーピング」という処理を実施しています。グルーピングとは、
「00_■【単体】____________________________」
「10_■【グループ】_________________________」
という「区分け専用のフォルダ」を作ることで、「本来2つ分の階層を、無理やり1階層分に圧縮する」という効果と、「全体像を掴みやすいフォルダの実現」という効果を生み出すテクニックです。
「グルーピング」という考え方は、冒頭で解説した基礎知識の通り、本サイトの「初級編」で解説している内容です。
ステップ③:「業務フォルダ」を「管理資料/案件資料/一時資料」という枠組みでグルーピングする
ここまでで、「情報システム部」フォルダを「共通系システムチーム」「業務系システムチーム」という2つの組織フォルダに細分化した上で、そのうち「共通系システムチーム」の組織フォルダに対して、
「01_グループウェア」
「11_人事システム」
「21_会計システム」
「22_連結会計システム」
という4つの「業務フォルダ」への細分化を実施した形です。
次に、各業務フォルダの中身を、「管理資料」「案件資料」「一時資料」の3つの枠組みにグルーピングしていきます。
この3つの枠組みへのグルーピングは、一つの様式美/パターンといったものです。必ずこれを守らなければならないということではありませんが、どのような業務フォルダであっても、この枠組みに揃えると、漏れのない、かつ管理がしやすい業務フォルダとなります。
- 管理資料グループ
常にずっと最新の状態にしておく必要のある、大事な大事な資料 - 案件資料グループ
その時々に降ってくるお仕事系 - 一時資料グループ
とりあえず仮置きでどこかに一時的に置いておきたいもの
下図は、別事例の図ではありますが、「管理資料」と「案件資料」の概念のイメージを図で示すものです。
さて話を戻して、ここでは例として「21_会計システム」の業務フォルダに着目してみましょう。
「21_会計システム」 フォルダの中身について、 「管理資料」「案件資料」「一時資料」へグルーピングをしてみた図が以下です。
このように「管理資料」「案件資料」「一時資料」へグルーピングさせることが、その業務フォルダ内で様々な資料を管理しやすくなる一つの様式美/パターンとなります。
※記載は割愛しますが、「 21_会計システム 」フォルダに続き、残りの
「01_グループウェア」
「11_人事システム」
「22_連結会計システム」
これら各フォルダについても、同様に対応します。
「業務フォルダを管理資料/案件資料/一時資料という枠組みでグルーピングする」という考え方は、冒頭で解説した基礎知識の通り、本サイトの「中級編」で解説している内容です。
まとめ
今回は、「情報システム部門のフォルダ整理」というテーマで、情報システム部をまず構成チームごとに細分化した上で、その構成チームごとに業務フォルダへの細分化を行うというフォルダ構築事例を紹介しました。参考にして頂ければと思います。
コメント